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2008/08/30

井川の渡船と廃線跡(静岡県静岡市)

P1060675
静岡市は静岡県の県庁所在地。にぎやかな街なのですが,その市域は広く,静岡県の最北端,南アルプス2番目の高さを誇る間ノ岳(3189メートル)に達します。1969年に井川村そのほかの山の村を合併した結果,人もまばらな山までを含む大きな自治体になったということのようです。

そんな静岡市の山の中,旧井川村の井川湖の渡船に2008年8月17日,乗ってきました。ついでに,大井川鉄道井川線の廃線跡も通ってきました。


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渡船は,井川ダムの北(上)側,南(下)に突き出している岬の東(右)から,井川の集落,地図の右上の端のH(宿泊施設)マークの上に小さく見える桟橋(線)を結びます。井川ダムの上に見える大井川鉄道井川駅と井川集落を結ぶという意味があったんだと思います。

ただ,今は地元の方の足としてはほとんど使われていないのが現実のようです。いくつか理由があります。まず,この渡船,井川ダムの水位が低くなると運休になります。このため,例年,運航時期が梅雨ごろから秋ごろまでに限られるのが現実です。これでは日常の足としてはちょっと使えません。また井川線は,千頭まで約1時間45分,1280円かかるのですが,今では並行する道路もずいぶん整備されて,自動車では40分ほどで着いてしまいます。ガソリン代も燃費の悪い車で500円というところでしょう。現実に井川線は,井川からの通勤・通学はまったく考慮していないダイヤで,本数も1日4から5本です。よほど特別な事情がない限り,車(バイク)を使うか,バスを乗り継いで静岡に行くのが普通でしょう…。

そこで渡船も,どちらかというと遊覧船としての位置づけを強め,行きか帰りの片道は,ぐっと大回りして井川湖にかかるつり橋(井川大橋)を経由するようになっています。行きと帰りに続けて乗ると,井川湖を遊覧したことになるというわけです。運行時刻はここ

井川湖までの行き方ですが,最初に思いつくのは大井川鉄道。ただし,2008年5月29日に,県道の井川駅と井川ダムを結ぶ区間で土砂崩れが発生したために歩いて行き来ができなくなっています(2008年9月中旬復旧見込み)。静岡からバス(しずてつジャストライン)で横沢まで行き,そこで自治体バス(井川地区自主運行バス)に乗り換えるという手もあるのですが,こちらも土砂崩れの関係で動いているのかいないのかがはっきりしませんでした。そこで,静岡駅でレンタカーを借りて行ってきました。静岡駅から井川ダムまで,車で1時間40分ほどです。

P1060617オープンな構造の船でした。20人乗りの割と大きな船でしたが,井川ダム(井川堰堤)出航時点ではほかのお客さんはいませんでした。お盆休みなのにちょっとさびしい…。船はもう一隻あり,そちらは小ぶりですが船室で雨風がしのげるようです。雨の日や寒い日はそちらで運航するのでしょう。

P1060621運航しているのは静岡市で料金はただ。出航すると,ダムから見る見る遠ざかっていきます。
P1060628
往きは,井川の集落を遠目に見ながら通過。静岡市営の渡船のためか,商売っ気はありません。途中案内のアナウンスはまったくなく,淡々と進んでいきます。
P1060646つり橋をいったんくぐってUターンします。
P1060657井川の集落(井川本村)に到着。かなり水位が低くなっていることがわかります。

到着後出航時間までの15分間,散歩してみました。近くの商店街の店はほとんど閉まっている(廃業している)ようす。たいへんさびれた雰囲気でした。
P1060663帰りは数人のお客さんが乗ってきました。ここから一周するようです。お客さんが増えて,ちょっとほっとしました…。

P1060607
ところで,井川駅と井川ダムの間の土砂崩れですが,8月5日に迂回路ができています。その迂回路,大井川鉄道の廃線跡にアスファルトを敷いて作ったもの。井川線には井川駅と井川湖畔の堂平駅という廃線になった区間があるのですが,それをそのまま迂回路に使っているのです。上の地図では,井川駅から井川湖畔に伸びている黒い線の部分です。上の写真は旧堂平駅と思われる場所で,迂回路から出てくる車と対向待ち合わせをしているところ。

P1060611単線の鉄道の廃線跡を使っているので迂回路では自動車同士のすれ違いはできません。そこで,途中何ヶ所か交換場所を作ってすれ違いができるようにしていました。こちらは堂平から井川ダムへ向かう途中。土砂崩れで不便な目にあっている地元の人には申し訳ないですが,廃線跡を走れてちょっとうれしかった…。

P10606911井川駅の自主運行バスのバス停にも行ってみました。Webページではわからなかったのですが,迂回路を使って横沢までバスは運行されていました。バスを乗り継いで静岡までいけるわけです。迂回路ができるまではバスは運休で,井川集落の方,さらに山奥まで行かれる方は自家用車で林道を通るしかありませんでした。廃線跡としても有効利用されて本望ではないでしょうか…。

9月中旬に土砂崩れの現場が復旧すると,迂回路は廃線跡の元の状態に戻されるらしい。ちなみに井川から大井川をさかのぼると,おいしいおでん屋(田代の滝浪)やよい温泉(赤石温泉白樺荘)があります。さらに畑薙ダムから山小屋の送迎バスに乗り換えると,椹島(さわらじま)や二軒小屋といった南アルプスの登山拠点にも行けます。こちらは本格登山だけでなく,散歩レベルの山歩きにもいいところ。廃線跡の迂回路を通って渡船や温泉めぐりの井川観光はいかがでしょうか。

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