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2009/06/19

中央リニアのボーリング跡地(静岡県静岡市二軒小屋)

P10006521
中央リニアでJR東海が希望しているのは南アルプスを貫く「Cルート」。2008年3月に,南アルプスの両側,山梨県早川町のボーリング現場と,長野県大鹿村のボーリング現場を見物したのですが,この間は22kmあります。ひょっとしたら,間に挟まれた静岡県静岡市二軒小屋地域でもボーリングをしているのでは? と気になっていました。大井川沿いの二軒小屋は,道路が通じているところ。JR東海が真剣にCルートを検討しているのなら,二軒小屋近辺でボーリングをしないはずがないようにも思えます。

で,調べていたら,2008年秋にこんなページを見つけました。

(以下引用)
二軒小屋トンネルを出て西俣の分岐から東俣林道を進み、ボーリング工事を右見送って、道に下草が茂って程なく、
「民宿ふるさと」の掲示板ページ,竹魚篭さんの2007年9月21日の書き込み

ひょっとしたら,中央リニアのボーリングかもしれませんが,はっきりしませんね…。これを仮に「第一現場」としておきます。

さらに,2009年に入ってこんなページを見つけました。

(以下引用)
二軒小屋ロッジを発つ
30キロ下流の畑薙第一ダムを目指す
出発時からポツポツ降っていた雨は
30分もすると 本降りになった
雨の中 林道をひたすら歩く

(中略)

ボーリング調査中
JRはリニア新幹線を 
南アルプスの下 通せるかどーか 調査中
大阪ー東京を 1時間で結ぶ予定らしー

「八風窯の読み物、エッセイ『サザン サザン 5』」

印象的なボーリング・マシンの写真が載っています。2007年5月1日の記録のようです。こちらは「第二現場」ということで。

どちらも,2年経ってしまっていたのですが,百聞は一見にしかず。実際に行ってみて,どんな感じか確かめてみることにしました。2009年5月24日のことです。

前日の朝,静岡駅で軽自動車を借り,約2時間半で畑薙ダムへ。そこで東海フォレストの送迎バス(要予約,当日はワゴン車だった)に乗り換え約1時間で椹島(さわらじま)へ。1日目はそこで泊まりました。畑薙ダムからの送迎込み,1泊2食付きで7000円。午後1時ごろ着いたので,近くの鳥森山(椹島からの標高差440m,眺めがちょっとよい,山頂まで1時間半かかった)などに散歩してすごしました。

話はちょっと脱線しますが,畑薙ダムから北の静岡県(静岡市)最北部は,東海パルプの私有地。江戸時代は天領(幕府直轄領)で,家臣の酒井家に管理が任されていました。酒井家が明治維新後に大倉財閥の創始者,大倉喜八郎に売り渡し,東海パルプの土地になったということのようです(東海パルプのページによる)。所有と管理がいっしょくたにされているような気がするのですが,江戸時代は現代の常識が通じないのかもしれません…。

ちなみに畑薙以北は道路も東海パルプのものだったのですが,この近辺は全国でも有数の土砂崩れ地帯。道路の維持管理ができないために,市道にして,静岡市に維持管理してもらっているとのことです。中部電力や東京電力のダムや発電所工事の際には,ダンプも行きかったんだそうです。

話は元に戻り,翌24日。朝,釣り客や散策客向けの片道送迎サービスで二軒小屋まで(宿泊と一緒に要予約,30分)。そこから,まずは第一現場方面へ。跡形もなくなっていましたが,東俣,西俣の分岐を過ぎて道に下草が生えているところまでで,右側にボーリングができそうなスペースがあるのはここだけ。たぶんここで,ボーリングしていたんじゃないかと思います。二軒小屋から20分ほどのところでした。

P10005871上流側から見たところ。蝙蝠岳の登り口のすぐそばです。

ここでボーリング工事をしていた可能性は高いと思いますが,リニアのボーリングかどうかははっきりしません。電力会社の設備のためのボーリングかもしれません。早川町のボーリング現場と大鹿村のボーリング現場を結ぶトンネルができるなら,ここらへんの地下600mほどのところをトンネルが通過しそうなのですが…。ちなみにここは早川町のボーリング現場から7kmほどのところ。標高1440mで,早川町の現場より900mほど高くなっています。

2009年7月10日追記
コメント欄に以下の投稿をいただきました。ここもリニアの現場で間違いないようです
この2つの現場は同じころ、同じ業者様が作業をしていました。第1現場は東俣の蝙蝠岳登山口入口、第2現場はツバクロの河原、その写真の場所で合っています。
どなた様かわかりませんが,ありがとうございました。

ここからちょっと行くと,中部電力の作業用モノレールの発着場がありました。その先は草木が生えて,車は通っていない雰囲気でした。

ちょっとすっきりしませんでしたが,第二現場方面へ向かいます。

第二現場は,「穴を掘らせたなら日本一の秋田県の会社が2007年,2008年の2年がかりでボーリングした」(東海フォレストの方)なんだそうです。リニアのボーリングだったことは間違いありません。

で,Webページの写真と見比べながら歩いていったのですが,なかなかそれらしい場所はありません。

二軒小屋から南に3kmほど歩いたところに跡地らしきものが見つかりました。

P10006551

写真はトップ。Webページの写真と符合する風景はここしかありませんでした。あまりあてにならないコンパスから現場と写真を照合すると,西と西北西の間の方角に向け,斜め下にボーリングしたようです。こちらは,穴のあとのふたらしきもの。この向きもWebページの写真と符合します。

ただ,ここは,ほかのボーリング現場を結ぶ線から南にそれています。北に大規模ボーリングをする土地を確保できなかったからでしょうか…。それとも,南よりの経路も検討していた(いる)のでしょうか…。

このあと,椹島まで歩き,そこから送迎バスに乗って畑薙ダムへと帰りました。

ちなみに,鉄道トンネル建設に関するWebページで参考になるのはテクノ・トレジャー。特にすごいのは,中山トンネルや鍋立山トンネル(「あのバイパス路線」の5)のページ。これを読むと気付くのは,長大トンネルは,両端から掘るのではなく,中間に立坑や斜坑を作って,中から両側へも掘っていくこと。もしCルートで「南アルプス・トンネル」を作るなら,二軒小屋付近に1カ所か2カ所,立坑か斜坑つきのトンネル建設基地を作るのではないかと推測しているのですが,どうでしょうか…。

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コメント

はじめまして。
この2つの現場は同じころ、同じ業者様が作業をしていました。
第1現場は東俣の蝙蝠岳登山口入口、第2現場はツバクロの河原、その写真の場所で合っています。
第1現場の写真が残っていればよかったのですが、データを削除してしまい残っていませんでした。
きれいに片付けられていますね。

投稿: | 2009/06/23 18:44

おお!
どなた様かわかりませんが,情報ありがとうございます!

>この2つの現場は同じころ、同じ業者様が作業をしていました。

ということは,第1現場も,リニアのボーリングの可能性,高そうですね。

ホントにきれいに片付けられて,われながら,何しに来たのかなあ…
という感じだったのですが,これで,行った甲斐があったというものです。

ありがとうございました。

投稿: 私はAと申します | 2009/06/24 00:30

初めまして。
テクノ・トレジャー管理人の狩野と申します。

参考サイトに取り上げていただき、誠にありがとうございます。

中央リニアがCルートに事実上決着した模様ですので、調査工事・作業坑工事などでいよいよにぎやかになってくるものと思われます。

私もトンネルが着工したら見に行こうかなと思っております。

投稿: TKSoft | 2010/10/27 20:40

おお! テクノ・トレジャーの狩野さま。
個人的にはかなり高い確率で二軒小屋の地下を通ることになると思うのですが、立抗/斜坑はこの付近にできるでしょうか…。実験線でのリニアの最急勾配40パーミルと山梨県側の地形を考え合わせると、二軒小屋からは立抗ですら長さ500メートルを切ることはないと思えるのです。
どちらにしても、ここのトンネルは相当の難工事になるのではないでしょうか。中山トンネル、塩嶺トンネル、飛騨トンネルに関係した方のお話も聞いてみたいところです。

投稿: 私はAと申します | 2010/10/28 02:11

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