木曽の森林鉄道めぐりその1(長野県王滝村)
秋は紅葉。森林へのお出かけにはぴったりの季節です。乗り物好きに森林といえば森林鉄道。なので一般の人が乗れる森林鉄道を紹介しましょう。とはいっても、日本にあって一般に乗れる森林鉄道は、現役の森林鉄道ではなく、保存/観光用。これまでこのブログでは、山形県真室川町、高知県馬路村、北海道遠軽町の森林鉄道は紹介してきましたが、まだ紹介していないのは、長野県王滝村(トップの写真)と上松町の森林鉄道。今回は王滝村の森林鉄道を紹介します。
王滝村は、木曽森林鉄道が最後まで走っていたところ。森林鉄道としては1975年(昭和50年)まで、その後一部区間が関西電力の発電所資材輸送用として1979年(昭和54年)まで使われていたようです。そこで王滝村の協力を受けた保存団体「りんてつ倶楽部」が、当時の車両を動態保存、線路を王滝村の松原スポーツ公園に敷設して年に数回運転会を開催しています。私は、第3回王滝村森林鉄道フェスティバルの一環として開催された、2010年10月10日の体験乗車会に参加してきました。ちなみに次回の森林鉄道フェスティバルは2013年のようですが、2011年秋は公民館祭の一環として10月29日と30日に乗車できます。そのほか、お盆やゴールデンウィークなどにも運転会は開催されたので、年に数回乗車できるチャンスはあるようです。
場所はここ。
JR中央線の木曽福島駅から木曽町生活交通バスで40分の王滝下車。そこから2km強。森林鉄道フェスティバルではバス停まで送迎バス(無料)が出ていましたが、それ以外の体験乗車会では送迎バスはないようです。徒歩だと40分というところでしょう。
こちらが乗車地点のようす。
まだ開始前で、関係者のみなさんが集まって朝のミーティングというふんいきです。当日は線路が伸びて832mに達したあとの最初の体験乗車会ということもあってか、多くの関係者が集まっていました。
体験乗車は当日は1回100円でした。今いくらになっているかはわかりませんが、仮に300円くらいになっているとしても、かかっている費用から考えると安すぎるので、自分のお財布と相談して募金をするのもよいかも知れません。
乗車できる車両は何種類かあります。大きなイベントだったので全種類乗車できましたが、ふだんの体験乗車会ではぜんぶ乗れるとは限らないようです。
これは森林鉄道によくあるタイプの機関車と客車。
貨物用と同じ台車に、雨ざらし式(開放型)の乗降口(デッキ)付き客車が載っているのがいいかんじ。
車内はこんなかんじ。
当日はほかに3両のモーターカー(エンジン付き客車)にも乗れました。
1950年(昭和25年)の酒井工作所製。トヨタの(たぶんトラック用の)エンジンを積んでいる車両です。
こちらは、やはり酒井工作所の1952年(昭和27年)製。プリンス(現日産自動車)のエンジンを積んでいます。人が乗るところが吹きさらしなのが印象的。今はいす付きですが、現役当時は人を乗せるというよりは資材輸送用として、トラックのように使われていたのではないでしょうか(たぶん)。
こちらはぐっと新しくなって1975年(昭和50年)の岩崎レール工業製。関西電力が発電所の人員輸送用に作ったもの。
森林鉄道らしく、木材を運搬する貨車も走ります。こちらは残念ながら乗車できません…。
列車は、折り返し点まで行って戻ってきます。折り返し点は駅ではないので、いったん乗ったら往復楽しめます。往復で10分くらいだったと思います(うろ覚え)。
折り返し点はこんなかんじ。
車両がたくさんいるのは、複数の車両がいっしょに行ったり来たりしていたから(続行運転)。折り返し点に全車両が到着したところで順番に折り返していくので正面衝突の心配はありません。
天気がよければ御嶽(おんたけ)山も望めます…。
というわけで、森林鉄道好きにとっては、ぜひ一度は体験したい王滝村の森林鉄道。いかがでしょうか。
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