フィリピン

2008/05/03

フィリピン国鉄に乗ってレガスピ観光

Rimg00521フィリピンの首都マニラから南に400kmあまり。レガスピに「富士山よりも美しいともいわれている」(Wikipediaによる)火山があるのをご存知でしょうか。マヨン山という名前で,日本人移民には「ルソン富士」とも呼ばれていたんだそうです。レガスピは,マニラからのフィリピン国鉄列車の終着駅。1日1本の夜行列車が走っていました(現在の運行状況は不明)。往復にその夜行列車を使って,2004年3月13日から15日にマニラからレガスピに出かけました(強行軍ですね…)。といっても別にマニラに住んでいたわけではなく,3月13日から16日までフィリピン旅行をしていて,その一部ではあるんですが。そのときの報告です。

マニラ空港についたのは現地時間の13時台(日本時間では14時台)。空港の車寄せのはずれに市内電車のバクララン駅(Baclaran Sta.)行きのジープニー(ジープをトラック風のバスに改造したもの)を見つけ,それに乗り込んでバクララン駅に向かいました(4ペソ,当時のレートで8円)。バクララン駅からは市内電車に乗り,タユマン駅(Tayuman Sta.)に(15ペソ,30円)。そこから10分強歩いてフィリピン国鉄(PNR)のタユマン駅にたどりついたのは15時前でした。ちなみにタユマン駅周辺はスラム街であるというガイドブックもあるのですが,歩いていてもさほど危険は感じませんでした。ただし,私は海外旅行の際にはふだんにもましてみすぼらしい格好になることを意識しています。金目のものを身につけていたり,お金持ちっぽい格好だとどうなるかはわかりません。

話は本筋から外れますが,少なくとも初めて行かれる方は,マニラ空港に夜着く便は避けられることを強くお勧めします。外国人相手に悪いことをしている人は観光地や空港に集まるという一般的な原則に加えて,マニラ空港は信頼できる人かどうかの判断が極めて難しいと感じたからです。出入国管理の人にも案内の人にもタクシー・ドライバーも一定の割合で悪い人がまじっています。昼間のタユマン駅周辺よりよっぽど危険だと思います。チケットが安い米系航空会社の便だと深夜到着になりますが,ことマニラ便に関するかぎり,私はどんなに安くても深夜到着便を利用することはありません(きっぱり)。

Rimg00131タユマン駅は行き止まり構造になっています。行き止まりの先にあるのが立派な駅舎。ただしこの駅舎は使われていませんでした。フィリピンでは鉄道は凋落がはげしく,寂れる一方のようです。このタユマン駅からはレガスピに向かう南線のほかに,北方300kmほどの先のサンフェルナンドに向かう北線の起点でもありますが,北線は実質廃止状態。南線も1日1本のレガスピ行き夜行列車のほかは,1日数本の近郊列車が走るのみ。いろいろ理由があるのだと思いますが,ちょっとさびしくもあります…。

ちなみに南線,北線とも,タユマン駅からはいったん北に向かいます。南線はマニラの中心街の周りを時計回りに大きな半円を描く形で南に進路を変えて進むことになります。

Rimg00101列車の乗降場は,駅の北のはずれの踏み切りの手前。その踏切から進行方向をみたところ。左側の線路が北線,右側の線路が南線なんだと思います。線路の状態はあんまり良くありません。

Rimg00221こちらがきっぷ。フィリピン国鉄は3クラス制で,行きは真ん中のツーリスト(Tourist)にしてみました。きっぷにDeluxeと書いてあるのが不思議です…。レガスピまで434kmを326ペソ,649円。ちなみにツーリストは席が向かい合わせでエアコン付き,その下がエコノミー(Economy)で向かい合わせのエアコンなし,上のDeluxeはリクライニング・シートでエアコン付きです。

Rimg00151左は乗降場から行き止まりを望んだところ。左奥に駅舎の裏側が見えます。

Rimg00171右は近郊列車。客車が三角屋根になっています。屋根にただ乗りされちゃうのを防ぐためにこんな形になっているのだそうです。ちなみにこの乗降場にホームはありません。地べたから列車備え付けのはしごや階段を使ってよっこらっしょと乗り降りすることになります。

Rimg00201左がレガスピ行きのデラックス車の中身。どっかで見たようなと思われた方はするどいです。実はJR東日本(というか国鉄)の急行形客車(12系)の中古なのです。ちなみにエコノミーも同じ車両(エアコンもついているがスイッチを入れない),最上級はJR東日本(国鉄)の特急形客車(14系)の中古でした。

Rimg00631右は車両を外から見たところ。糸魚川行きになっていました…。窓は金網が張られています。ベトナムもそうでしたが,投石から守るためです。ベトナムでは投石は体験しませんでしたが,フィリピンは頻繁に投石を受けます。走行中に「ドカン!」(大きい石が多いのか,結構な確率で大きな音がする)とやられるとホントにびびりますよ…。

走行していると,投石以外にもいろんなものとぶつかりながら走っているのが,ぶつかったり,ひきずったり,こすれたりする音でわかります。でも大丈夫。日本の国鉄の車両は頑丈に作っているせいか,何とか走り続けます。

ちなみにドアは走行中でも閉まりません(閉めない?)。したがって走行中のデッキは危険です。石が飛び込んでくることがありますから。

列車は,16時30分に出発。終点のレガスピには翌朝7時30分に到着予定です。タユマン駅出発時点では3割くらいの乗車率だったのですが,マニラ市内の駅に停車するたびにお客さんは増え,マニラを離れるころにはほぼ満席になりました。

エアコンは最初はそんなに利いていなかったのですが,徐々に涼しくなり,最後にはすごく寒くなりました。日本で着ていたダウンジャケットを着てもなお寒かった。ふと周りを見回すと,みなさん厚着です。なんか変です…。ある温度以下になると蚊が活動できなくなるから,間接的なデング熱(伝染病)対策という意味なんだろうか…。

Rimg00251あんまり寒いので車内販売のカップヌードルを食べました。日本のより小さめで40gですがお湯付きで25ペソ(50円)。フィリピンではカップヌードル,中でもシーフード味が大人気のようです。成田空港でもフィリピン人の方は必ずといっていいほどカップヌードルシーフード味の箱をおみやげ(?)に持っておられました。ちなみに車内で買った350mlのミネラル・ウォーターは10ペソ(20円),インスタント・コーヒーも10ペソ(20円)。

結局レガスピに着いたのは,2時間半遅れの10時。レガスピで観光といえばカグサワ教会跡(Cagsawa church ruins,トップの写真)。1814年2月1日のマヨン山の噴火で町が溶岩流に襲われ,1200人の死者が出たところです。レガスピからジープニーに乗り20分ほど(6ペソ,12円)。教会跡の入場料が10ペソ,20円でした。確かに美しい成層火山(たぶん富士山より形は整っている)ですが,森林限界や冠雪がアクセントになっている富士山のほうが好みですかね…。

で,レガスピの町に戻り,ごはんを食べて,帰りはエコノミー(283ペソ,563円)でマニラに帰りました。寒くない分こっちのほうがよいかなあ・・・。帰りは15時30分発6時30分着の予定でしたが,実際には3時間20分遅れの9時50分着。

すごく快適とはいえないし,安全ともいえないけど(実際に8ヵ月後に脱線事故で死者が出た),楽しかったなあ…。


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