台湾

2010/03/26

台湾トロッコめぐり(その2)

 台湾のトロッコの続き。2回目は、糖業用以外の森林鉄道、鉱山鉄道です。


太平山の蹦蹦(ぽんぽん)車

 まずは太平山のトロッコ。ここは、日本の植民地時代に大規模な森林開発に伴い、森林鉄道が整備されたところ。1970年代まで実際に使われていたようですが、いまでは標高約1900メートル、山頂近くの一部区間が森林見物用のトロッコとして運行されています。場所はここ。2010年1月31日に行ってきました。

 宜蘭の国光客運ターミナルから羅東駅経由で土日に1日1本バスが出ています。国光客運のWebページはこちら。インターネット上では9時20分発でしたが、実際は9時30分発でした。宜蘭から所要2時間半。帰りのバスは15時30分発。運賃は宜蘭から往復で390元(1096円)。そのほか行きのバスの途中で入山料を150元(422円)支払う必要があります。国光客運ターミナルは宜蘭駅を出て大通りを左側へ10分ほど歩いた右側。羅東駅の乗り場は駅の裏口側でした。

 途中路線バスは、土場というところで10分ほど休憩しました。土場は、宜蘭と羅東の間で太平洋に注ぐ蘭陽渓という大河からちょっと入ったところ。羅東からここまでは、森林鉄道で乗り換えなしに来れたようです。当時のディーゼルカーや蒸気機関車、客車、貨車が展示されていました。

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 ここからは、一気に山道になります。鉄道がそのまま登っていくのはとても無理。そこで森林鉄道があった当時、ここから先は高低差を稼ぐロープウエイと「山地軌道」(山用の森林鉄道)をつなぎながら山頂近くまで輸送網を整備していたのだそうです。現地で買った「太平山開発史」という本には、貨車が宙づりになってロープウエイで運ばれている写真が載っていました。見たところ貨物用ロープウエイなのですが、人間はどうしていたんだろうか…(中国語の本なので細かいところはわかりませんでした)。

 で、宜蘭から約2時間半で太平山に到着。10分ほど歩くと、宿泊施設やコンビニが一体になった太平山荘を経てトロッコ乗り場に到着です。このトロッコ、蹦蹦(ぽんぽん)車とも呼ばれているようです。

 トロッコの運行は毎日で、行きが7時30分から14時30分までの毎時30分。帰りが9時から16時までの毎時00分。所要時間は片道20分。バスで日帰りなら、必然的に行きは12時30分発、帰りは14時発に乗ることになります。

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 トロッコは山腹をへばりつくように走ります。出発してきた太平山山荘一帯。

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 終点は、ちょっとした森林浴が楽しめるようになっていました。

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 不便なところだけど、かなり楽しいトロッコでした…。


烏来の台車

次は烏来の台車(遊覧トロッコ)。こちらも森林鉄道を観光用に整備したもののようです。場所はここ。

 私は1995年7月4日に行きました。台北駅からバスで1時間強、当時は50元(170円)、今は70元(195円)のようです。なおバスを降りて橋を渡るところで入境料を払う必要があります。当時は35元(119円)、今は50元(140円)。

 トロッコの片道料金は、当時30元(102円)、今は50元(140円)。こちらは、遊園地の乗り物風に気軽に乗れる感じだったと思いますが、当時の写真が見つかりませんでした…。終点からロープウエイに乗り継ぐと、遊園地みたいなところに行けたと記憶しています。


台湾煤礦博物館のトロッコ

 最後は、平渓にある台湾煤礦博物館のトロッコ。こちらは、石炭鉱山用のトロッコをほぼそのままの形で博物館見学客の送迎用に使っているもの。2010年2月1日に行ってきました。場所はここ。

 台湾国鉄平渓線の十分駅から歩いて10分程度のところに受付があります。台北のMRT(地下鉄/新交通システム)の木柵駅から1日7本のバスに乗って十分寮で下車(45元、126円)すると歩いて5分ほど。バスの時刻はこちら。十分寮または野人谷行きのバスが十分寮に停まります。平渓行きのバスで終点まで行き、そこから台湾国鉄に乗り換えて十分まで行くという手もあります。

 受付から博物館までは、歩くと(たぶん)30分。そこで、受付から歩いて10分弱のところと博物館の間を連絡する送迎用のトロッコがあるというわけ。土日祝日なら往復、平日なら帰りにトロッコに乗れるようです。私は平日に行って、行きはバイクで送迎してもらえました。ただし、ほぼ同じ時間に着いた台湾人の三人家族は博物館まで歩いていたようでした。たぶん不案内な日本人だったから送迎してもらえたのだと思いますが、送迎しきれないときは、日本人でもやっぱり歩かなければならないかもしれません…。

 トロッコはこんな感じ。もう、ホントに炭鉱で使っていたのをそのまんまという雰囲気でした…。

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 車内。2両を一つの箱にしている不思議な構造。 

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 笠をかぶったおばさんが運転します。これも当時そのままかもしれない…。

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 十分や平渓は、普通(?)の日本人も訪れる有名観光地。ここなら観光ついでに軽くトロッコも楽しめるので、いいかもしれません。

 なお、台北から1時間ほど、九份近くの金瓜石というところの金山跡にトロッコがあるという情報があったので行ってみたのですが、2010年2月1日時点では、線路はありましたがトロッコは走っていませんでした。近いうちに走り始めるという雰囲気でもありませんでした…。

 というわけで、台湾のトロッコめぐり。トロッコだけで1週間ほど楽しめそうです。トロッコ好きの方はぜひいかがでしょうか。そうでない方もひとつくらいだったら楽しめると思います…。

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2010/03/10

台湾トロッコめぐり(その1)

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 台湾はトロッコ(五分車/小火車)の島。九州ほどの大きさなのに観光用トロッコが私の知るところ8か所にあります。うち、砂糖きびや糖蜜を運んでいた糖業用軌道だったのが5か所、森林軌道だったのが2か所、鉱山軌道だったのが1か所です。りっぱな鉄道である阿里山森林鉄道以外にもこれだけあるわけです。

 いずれも、もとは仕事で使っていたトロッコを観光用に転用したもの。どれもそこそこの長さがあり、途中には踏切があったりします。免許の関係でトロッコを自由に運行できない日本では味わえないおもしろさがあります。そこで、2回に分けて紹介しちゃいます。

 1回目は、糖業用軌道のトロッコ。台湾は日本の植民地だった時代からサトウキビによる製糖業が盛んで、刈り取ったサトウキビや、工場で生産した製品などを運ぶための糖業用鉄道も発達していました。1982年までは一部で旅客営業もされていたのですが、バスやトラックが発達したため、現在ではほとんど使われていません。その使われなくなった線路を使ってトロッコを走らせるというわけです。

 ちなみに製糖用のトロッコは、どこでも(たぶん)半国営の台湾糖業という会社が運行しているようです。


渓湖糖廠のトロッコ

 まずは台湾中西部の渓湖という町にある渓湖糖廠(製糖工場)。2010年1月30日に行ってきました。

 渓湖糖廠の場所はここ。クリックすると大きな地図に切り替わります。切り替えるとなぜかポインタがなくなってしまうのですが、十字のところがそうなので、拡大すればほぼ正確な場所がわかります。渓湖のバスターミナルから彰水路を南へ10分程度歩いたところの進行方向左側(地図の十字が右側になっていたら、それは表示上のずれ)。

 渓湖は、台湾国鉄の駅がある員林や彰化から30分に1本程度バスがあります。員林からだと30分、彰化からだと50分程度。このほか本数は少なくなりますが台湾第3の都市である台中の市街や高速鉄道(新幹線)台中駅からもバスの便があります。バスはいずれも「員林客運」が運行しています。時刻表などはここから。私は、行きは高速鉄道台中駅からバスに乗りました。1時間強で73元(205円)。帰りは員林までバスで29元(81円)。どのバスも行き先が渓湖とは限りません。渓湖は途中なので行き先には「渓湖」と書いていないこともあります。高速鉄道なら車内誌に各駅からのバス路線図があるので、それを眺めておいたり、バスターミナルなら窓口で(筆談で)聞いておけばスムーズです。念のためバスの運転手さんにも行き先を確認しておくとよいでしょう。

 ちなみに台湾のバスは、乗り場を探すのがちょっと難しい。高速鉄道台中駅は構内にバス乗り場があるのですが、渓湖を通るバスはなぜか時刻表が掲示してある乗り場とは別の乗り場に停車します。超能力でもない限りわからないので、バス乗り場の近くで係員の人を探して「員林客運 往渓湖」(員林バスで渓湖まで)と書いた紙を見せることをお勧めします。また員林や彰化のバス乗り場は駅からちょっと離れています(台中もたぶんそう)。彰化は駅の東側を南北に走る大通りを南に向かい右側。員林は駅の東側を北に5分ほど向かい、ちょっと右に入ったところ。旅慣れている人なら行き交うバスを眺めながら探り当てられそうですが、街の人に「員林客運」と聞きながら探せば確実に見つかるはず。

 なお台湾のバスは現金ではお釣りがでません(台湾に限らず海外のバスはお釣りが出ないのがめずらしくない)。台北の地下鉄・バス用ICカードが全国で使えるようになるという話もあるらしいのですが、それまではターミナルではあらかじめきっぷを買い、そのほかのところでは小銭をたくさん用意しておいたほうがいいと思います。

 渓湖糖廠のトロッコは、土日休日だけ運行で9時、10時10分、11時20分、13時、14時10分、15時20分、16時30分の1日6回。このうち11時20分と14時10分は蒸気機関車がトロッコを引くのが売り物。料金はどれでも大人1人100元(281円)。

 トロッコ列車はこんな感じ。

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 機関車はサトウキビ列車を引いていたもの。客車は、サトウキビを乗せていた貨車の真ん中にベンチを置いて作ったと思われるもの。これで往復7km、住宅や畑の中を時速15kmほどで45分かけて走ります。おそらく現役当時もさほど変わらない速度で走っていたのでしょう。今となっては実用的とはいえないのですが、風を受けながらゆられていると、当時の情景が眼に浮かぶような、いい気分になってきます…。

 20分弱で折り返し地点に到着。

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 ここのおもしろいところはトロッコが道路上に停まること。お客さんが売店で買い物したり、機関車をトロッコの前後に付け替える間は、踏切を使って道路に車が入ってこれないようにするしくみ。

 で、10分ほど停まったあとに、出発点へと折り返します。

 ちなみに11時20分と14時10分の蒸気機関車はこれ。時間が合うならぜひ蒸気機関車に乗りたいところですね…。

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 なおトロッコが発着する糖廠は、現在は操業していないようす。その代わり今は動いていない工場の中を見学できるようです。


蒜頭糖廠のトロッコ

 2010年1月28日に行ったときの報告です。場所はここ。

 台湾国鉄の停まる嘉義の街からバスで30分ほどのところ。また高速鉄道の嘉義駅からは4kmほど。バスの便はないのですがタクシーで10分弱、150元(420円)程度で行けると思います。高速鉄道を使えば台北からいちばん行きやすい糖業用観光トロッコといえるでしょう。

 私は、行きは嘉義の街から嘉義客運のバスに45分ほど乗り蒜頭の町まで行き、そこから30分ほど歩いたのですが、これは遠回り。嘉義縣公車(県営バス?)の雙渓口/長庚醫院行きに乗り、糖廠バス停で降りると目の前。53元、149円です。嘉義縣公車は嘉義駅前にバス停があるはずですが、帰りにしか乗らなかったので正確な場所はわかりません…。嘉義縣公車の時刻表などはこちら

 トロッコの発車は毎日10時と15時。料金は100元(281円)。

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 こちらも工場の敷地を出て折り返すのですが、高速鉄道に近づく方向に走るので、運が良ければ遠くの高架を走る高速鉄道(車両は日本の新幹線と同じ)を眺められます。また、こちらの工場は中に小学校があるほど大きく、帰りにその中をスイッチバックしながら8の字型に走るのも楽しめます。

 こちらが発着場所。

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 日本植民地時代からの工場らしく、おそらく植民地時代からの駅舎や、間違いなく植民地時代からの防空壕が印象的でした。


烏樹林休閒園區のトロッコ

 2010年1月29日に行きました。場所はここ。

 台湾国鉄の新営駅の目の前にある新営客運ターミナルからバスで15分ほどの烏樹林バス停がもより。運賃は23元(65円)。そこから乗ってきたバスの進行方向右手の道を20分ほどまっすぐ歩いたところです。あんまりバスの本数は多くないので、事前に調べておかれるとよいでしょう。新営客運の時刻表はこちら
(右と左を間違っていました…。ごめんなさい。2011年11月15日追記)

 運行は、平日が10時と14時半、土曜休日が9時30分から16時30分までの毎時30分。このうち土曜休日の10時30分はSLになるようです。料金は100元(281円)。

 ここももとは製糖工場だったと思うのですが、今はおもかげがそんなになく、レクリエーションかピクニックを意識した場所になっているようでした。ちなみに糖業用トロッコを観光用に使うというのはここが発祥。ここで成功したのをほかの工場がまねたという歴史があるようです。

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 20分ほどかけて行く折り返し点は、売店になっています。私は平日14時半からの便に乗ったのですが、お客さんは4人。ちょっと売店の人もさびしげな感じでした。

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新営糖廠のトロッコ

 2010年1月29日に行きました。場所はここ。

 台湾国鉄の新営駅から歩いて20分ほどのところ。こちらは土曜休日の9時から16時、毎時ちょうど発。私が行ったのは金曜だったのですが、たまたま14時発の便に団体予約が入っていたようで、それに便乗できました。料金は100元(281円)。

 トロッコはこんな感じ(トップの写真も)。

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 ここの魅力は、長い間トロッコに乗っていられるところ。行きが30分、折り返し点で22分停まって、帰りが30分。合計1時間22分楽しめちゃいます。大きな鉄橋も渡れるし、台湾国鉄の貨車が乗り入れられるようになっている3線区間もあります。土曜休日には、トロッコ同士の行き違いも楽しめるはず。

 ちなみに終点は、売店だけでなくいろいろ楽しめるような施設がある感じでした(どう楽しめるかはよくわからなかった…)。ここでは22分で折り返すのではなく、次の便まで遊んで帰るといったこともできるようです。

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橋頭糖廠のトロッコ

 2010年1月30日に行ってきました。場所はここ。

 こちらは、台湾の観光用トロッコの中でも行きやすいところ。高雄の地下鉄(高雄捷運)紅線(地図では青い線)の橋頭行きに乗り、終点の一つ前の橋頭糖廠下車。改札口を出てまっすぐ進むとすぐに乗り場があります。

 運行は土曜日曜で、橋頭糖廠と花卉(花)農園を結びます。糖廠発が10時30分、11時30分と13時30分から16時30分までの毎時30分。花卉発が10時00分、11時00分と13時00分から17時00分までの毎時00分発。

 料金は片道80元(225円)、往復100元(281円)。なお高雄の地下鉄各駅では、橋頭糖廠までの往復運賃とトロッコの往復料金、アイスなどがパックになった「糖廠散步套票」が発売されているようです。100元(281円)、または終点にある花卉農園や迷路の入場料がいっしょになった150元(423円)。

 トロッコはこんな感じ。ちなみに上に見えるのは高雄地下鉄の高架橋。

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 トロッコと並行して自転車道が整備されていました。トロッコといっしょに走るのもいい感じかもしれません。地下鉄の橋頭糖廠駅前には貸自転車もありました。

 橋頭糖廠は、工場としては操業していないようですが、学校を含む広大な敷地をレクリエーション地域として整備しているようです。私としては操業していない廃墟みたいな製糖工場が印象的でした。

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 ちなみに、最近まで台湾国鉄南州駅がもよりの南州糖廠でも観光トロッコがあったようです。私が2010年1月30日に行ったところ、「本園区五分車営運自97年5月1日起暫停」(2008年5月1日から運休します)という掲示が出ていました…。

 全部乗るのはものずきだと思いますが、時間があればどれかひとつ糖業用トロッコに乗るのもいいかもしれません。SLがいいなら渓湖か烏樹林、長くて本格的なのがいいなら新営、便利なところなら蒜頭か橋頭というところでしょうか…。


 というわけで、糖業用以外のトロッコに続きます…。

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